「花の回廊」「鴨川公園再整備」等、鴨川に関する一連の設計
(株)空間創研 立花 正充
金清 裕徳
門脇 理恵
整備のコンセプト
  • 鴨川は、京都の「まち」の骨格であるとともに、「山紫水明」といわれる都市景観の基盤であり、象徴でもあります。また、鴨の河原は数々の歴史の舞台ともなり、さまざまな芸能・文化を生み、育んできました。
  • この計画・設計にあたっては、京都の風土・歴史・文化を踏まえ、古からの人と鴨川の豊かな関りの継承を図りつつ、現代における人・鴨川・都市のより豊かな関係を創り出すことを目指しました。
  1. 鴨川が創り出す景観の骨格を維持し、歴史的な景観を継承するとともに、自己主張をおさえたデザインとしつつ、新たな京の景観を創出します。
  2. 現代の河原といえる高水敷を、市民に開放されたスペースにふさわしい空間とします。

▲松原橋より上流を望む

▲出雲路橋右岸上流の広場
設計のプロセス

▲散策路(四条上流)
  • 「花の回廊」は、環境整備のみにとどまらず、護岸改修(別途設計)も含めた治水整備でもありました。鴨川の場合、景観面からの課題も大きいものであるため、造園(ランドスケープ)の視点による空間構成、デザインを土木技術によりサポートするという形で計画、設計を進めました。
整備手法
  • 「花の回廊」と「鴨川公園」では、華やかな空間と周辺に溶け込んだインパクトの少ない空間づくりというように、周辺状況の違いから異なる空間づくりをしました。しかしながらともに構造物の見え掛りをおさえ、出来る限り緑による柔らかな景を創出することを試みました。
  • 具体的な手法としては、「花の回廊」では低水部に緑をとり入れる緑化舗石の設置、二段護岸、高水護岸天端のラウンディング等、「鴨川公園」では、低水護岸際の芝生のラウンディング、緩やかな地形づくり等です。
竣工後の状況

▲賀茂大橋下流の高水敷
  • 現在整備された区域は、多くの人々に利用され、親しまれています。「花の回廊」では従来に無い新たな人の動き、集合も見られます。また全体として京の風景になじんだものとなっています。
  • 今後時を経るとともに、緑の成長、構造物のエイジング等により、より豊かな空間となって京の町に溶け込むことを期待しています。
発注者:京都府(京都土木事務所)
設計期間:平成4〜11年
「花の回廊」
所在地:京都市東山区七条大橋〜左京区三条大橋
     (鴨川左岸)
規模・延長:2.3km
「鴨川公園」
所在地:左京区丸太町橋〜左京区賀茂大橋(左岸)
     北区出雲路(出雲路橋)
規模・延長:1.7km(左岸)、3000m2(出雲路)
※このページは、「造園作品選集2002(社団法人日本造園学会)」に掲載された記事を基に、加筆修正したものです。
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