天王寺動物園「アフリ力・サバンナ草食動物ゾーン」
(株)空間創研 佐々木 宏二
名取 重広
安田 卓宏
奥川 良介
大阪芸術大学 若生 謙二
 
  • 本作品は、天王寺動物園改修事業のサバンナ区のうち、部分開設された草食動物ゾーンにあたります。
  • 一般にサバンナといえば一面の平坦な草原がイメージされますが、実際には草原のほかに、疎林、低木林、河畔林、河川、段丘崖、岩山など多様な景観が見られます。動物は、これらの生息地(景観)に適応して生活しています。計画では、東アフリカのサバンナの現地景観調査に基づき、この多様な景観とそこに適応する動物との関係をテーマにして展示シナリオを作成しました。
  • この設計では、「サバンナに分け入り動物と遭遇する体験」を演出することを目指しました。
  • まず、地形変化や、植栽等により視線を遮蔽、誘導することで、周辺施設や飼育舎などの景観阻害要因を排除しています。同時に放飼場に向けての視界を絞り込み、一つのビューポイントから全てを見せないことで、空間の広がりを演出しています。
  • また、放飼場のグランドレベルをアイレベルに近い高さに設定することで、敷地に奥行き感を持たせるとともに、動物の動きによる見え隠れを発生させて観客の期待感を高めています。これらの景観の骨格構成には、既存樹林を最大限に活用しています。
  •  動線構成では、サブ動線を組み込むことにより、特徴的なシーンを創り出して動物との遭遇を演出したり、観客を分散させることで落ち着いた観賞を可能にしています。
  • 植物、石材、木材など使用する素材及びディテールについては、現地調査を基にしてサバンナの雰囲気を演出できるものを選択して、できる限り忠実に再現している。生息地で見られた“根返り倒木”は既存樹木を使用しており、動物バリアーとしての機能も果たしています。
  • 解説サインは、眼前の景観を見ながら読めるものとし、景観と関連づけられている展示意図が理解できるものとしています。
発注者:大阪市
設計期間:1996年8月〜1998年3月
所在地:大阪市天王寺区茶臼山町地内
規模:9,370m2
※このページは、「造園作品選集2002(社団法人日本造園学会)」に掲載された記事を基に、加筆修正したものです。
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